# Incremental Activationの設定

Incremental Activationはベータ版のリリースです。詳細については、カスタマーサクセス担当者にお問い合わせください。

このガイドでは、セグメント用のIncremental Activationを設定する手順を説明します。差分変更を処理するユーザー定義ワークフローを作成し、宛先プラットフォームで動作するように設定します。

## 概要

Incremental Activationの設定には、次の3つの主要なステップがあります。

1. [ユーザー定義ワークフローの作成](#create-user-defined-workflow)
2. [必須パラメータの設定](#configure-required-parameters)
3. [ワークフローの使用](#use-the-workflow)


## ユーザー定義ワークフローの作成

1. **TD Data Workbench** > **Workflows**に移動します。
2. **New User-Defined Workflow**をクリックします。
3. **Workflow Name**を入力します(例:`incremental_activation_meta`)。
4. Workflow Templateオプションから**Blank**を選択します。
5. **New Workflow**をクリックして作成します。
6. Project Editorで、以下のワークフローテンプレートをコピー&ペーストします。



```yaml
timezone: "UTC"
_export:
  params:
    api_endpoint: "https://integrations-gateway.us01.treasuredata.com"
    id_key: "contact_id"
    delta_keys: ["job_title", "status"]
    activation_mappings: [
      {
        "delta_status": "new",
        "connector_field": "mode",
        "connector_field_value": "append"
      }
    ]

# Fetch and execute incremental activation workflow
+fetch_incremental_activation_wf:
  http_call>: "${params.api_endpoint}/integration_workflow/workflows/incremental_activation/fetch"
  method: POST
  headers:
    - Authorization: ${secret:td.apikey}
    - Content-Type: "application/json"
  content_type_override: application/x-yaml
  content: |
    {
      "database": "${activation_actions_db}",
      "source_table": "${activation_actions_table}",
      "id_key": "${params.id_key}",
      "delta_keys": ${JSON.stringify(params.delta_keys)},
      "activation_mappings": ${JSON.stringify(params.activation_mappings)},
      "result_connection_settings": ${result_connection_settings},
      "result_connection_name": "${result_connection_name}"
    }
  retry: true
```

1. **Save**をクリックしてワークフローを保存します。


## 必須パラメータの設定

データソースと宛先プラットフォームの要件に合わせて、ワークフローテンプレートの`params`ブロックを変更します。

### APIエンドポイント

TDサイトに合わせて`api_endpoint`パラメータを設定します。

| TDサイト | APIエンドポイント |
|  --- | --- |
| US | `https://integrations-gateway.us01.treasuredata.com` |
| EU | `https://integrations-gateway.eu01.treasuredata.com` |
| AP | `https://integrations-gateway.ap02.treasuredata.com` |
| JP | `https://integrations-gateway.treasuredata.co.jp` |


### ID Key

`id_key`パラメータは、ソーステーブル内の一意識別子列を指定します。この列のデータは、すべてのプロファイルで一意である必要があります。

**例**:

- `mobile_ad_id` (IDFA、MAID)
- `email`
- `phone_number`
- `td_customer_id`


`id_key`列に重複した値があると、差分計算でエラーが発生します。この列には一意の値のみが含まれていることを確認してください。

**設定例**:


```yaml
id_key: "email"
```

### Delta Keys

`delta_keys`パラメータは、ソーステーブルで変更を確認する列名の配列です。これらの列は、プロファイルが「更新済み」または「変更なし」とマークされるかどうかを決定します。

**例**:

- `["job_title", "organization"]`
- `["subscription_status", "tier_level"]`
- `["city", "country", "postal_code"]`


空のままにするか指定しない場合は、`id_key`の値がデフォルトになります。

**設定例**:


```yaml
delta_keys: ["job_title", "subscription_status", "city"]
```

### Activation Mappings

`activation_mappings`パラメータは、さまざまなタイプの差分レコードが宛先にどのように送信されるかを定義します。各マッピングは、差分ステータスをコネクタ設定に接続します。

マッピングの設定に関する詳細については、[Incremental Activationマッピング](/ja/products/customer-data-platform/audience-studio/activation/incremental-activation-mappings)を参照してください。

**Snowflakeの設定例**:


```yaml
activation_mappings: [
  {
    "delta_status": "new",
    "connector_field": "mode",
    "connector_field_value": "insert"
  },
  {
    "delta_status": "updated",
    "connector_field": "mode",
    "connector_field_value": "merge"
  }
]
```

**Salesforce B2C Commerce Cloudの設定例(フル同期)**:


```yaml
activation_mappings: [
  {
    "delta_status": "new",
    "connector_field": "mode",
    "connector_field_value": "append"
  },
  {
    "delta_status": "updated",
    "connector_field": "mode",
    "connector_field_value": "replace"
  }
]
```

### 追加パラメータ(スタンドアロンモードのみ)

ワークフローをスタンドアロン(Activation Actionとしてではなく)として実行する場合は、次も指定する必要があります。

- `activation_actions_db`: ソースTDデータベース名
- `activation_actions_table`: 処理するデータを含むソーステーブル名
- `result_connection_settings`: 結果コネクタ設定オブジェクト
- `result_connection_name`: コネクタ認証名


**スタンドアロン設定例**:


```yaml
_export:
  params:
    api_endpoint: "https://integrations-gateway.us01.treasuredata.com"
    id_key: "email"
    delta_keys: ["status", "tier"]
    activation_mappings: [
      {
        "delta_status": "new",
        "connector_field": "mode",
        "connector_field_value": "append"
      }
    ]
    activation_actions_db: "my_customer_database"
    activation_actions_table: "customer_profiles"
    result_connection_name: "my_snowflake_connection"
    result_connection_settings:
      type: "snowflake"
      database: "MARKETING_DB"
      schema: "PUBLIC"
      table: "CUSTOMER_SEGMENTS"
      mode: "append"
```

Audience Studio内でActivation Actionとして実行する場合、`activation_actions_db`、`activation_actions_table`、`result_connection_settings`、`result_connection_name`パラメータは自動的に入力されます。`api_endpoint`、`id_key`、`delta_keys`、`activation_mappings`のみを設定する必要があります。

## ワークフローの使用

ワークフローを設定した後、次の2つの方法で使用できます。

### Activation Actionとして(推奨)

Audience Studio内でワークフローを使用して、セグメントの差分を自動的にアクティベーションします。

1. **Audience Studio** > **Segments**に移動します。
2. アクティベーションするセグメントを開きます。
3. **Activations** > **Create activation**を選択します。
4. **Details**タブで、**Enable Activation Actions**を有効にします。
5. 認証を選択し、アクティベーション名を入力します。
6. **Actions**タブで、作成したワークフローを選択します。
7. アクティベーションのセットアップを完了して保存します。


アクティベーションが実行されると、(設定に基づいて)差分レコードのみが宛先に送信されます。

詳細については、[Activation Actionsの設定](/ja/products/customer-data-platform/audience-studio/activation/configure-activation-actions)を参照してください。

### スタンドアロンワークフローとして

スケジュールに従ってワークフローを実行し、任意のTDテーブルから差分変更をエクスポートします。

1. すべての必須パラメータが設定されていることを確認します(`activation_actions_db`、`activation_actions_table`、`result_connection_settings`、`result_connection_name`を含む)。
2. **TD Data Workbench** > **Workflows**に移動します。
3. Incremental Activationワークフローを開きます。
4. **Run**をクリックするか、スケジュールを設定します。


ワークフローは、現在のテーブルデータを前回の実行と比較し、変更のみをエクスポートします。

**同時実行ワークフローの回避**: Incremental Activationワークフローが使用するテーブルは、操作中にロックされません。同じソーステーブルに対して複数のワークフローを同時に実行するようにスケジュールしないでください。状態の競合が発生し、一貫性のない差分計算が生成される可能性があります。特定のテーブルを一度に1つのワークフローのみで処理するようにしてください。

## ワークフロー権限の設定

ワークフローをActivation Actionとして使用するには、適切な権限が設定されていることを確認してください。

1. **Control Panel** > **Security** > **Policies**に移動します。
2. アクティベーションを作成するユーザーに**View**および**Run**アクセスを付与するようにワークフロー権限を設定します。


詳細については、[ワークフロー権限の設定](/products/control-panel/security/policies/configuring-workflow-permissions)を参照してください。

## 設定の確認

ワークフローを作成した後:

1. **小さなデータセットでテスト**: 本番環境で使用する前に、テストセグメントでワークフローを実行します。
2. **初回実行を確認**: 初回実行では、ベースラインを確立するためにすべてのデータ(完全エクスポート)がエクスポートされます。
3. **後続の実行を確認**: 後続の実行では、差分変更のみがエクスポートされるはずです。
4. **アクティベーションログを監視**: アクティベーション結果を確認して、正しい数のプロファイルが送信されていることを確認します。


## 次のステップ

- [Incremental Activationマッピング](/ja/products/customer-data-platform/audience-studio/activation/incremental-activation-mappings)
- [Incremental Activationパラメータ](/ja/products/customer-data-platform/audience-studio/activation/incremental-activation-parameters)
- [Incremental Activationのトラブルシューティング](/ja/products/customer-data-platform/audience-studio/activation/troubleshooting-incremental-activation)


## 関連トピック

- [Incremental Activationの概要](/ja/products/customer-data-platform/audience-studio/activation/incremental-activation-overview)
- [Activation Actions](/ja/products/customer-data-platform/audience-studio/activation/activation-actions)
- [ワークフローの作成と編集](/products/customer-data-platform/data-workbench/workflows/getting-started-with-treasure-workflow)